「セキュリティ会社」とは、防犯機器を売る会社と、警備員を現場に配置する会社の両方を指す広い言葉です。個人宅を守りたいのか、店舗や工事現場に人を立てたいのかで、選ぶべき相手はまったく変わります。
「セキュリティ会社ってどこがいいの?」と調べ始めて、出てくるのがホームセキュリティの会社ばかり…でも自分が探しているのは店舗や現場に来てくれる警備員だった、という経験はありませんか?実は「セキュリティ会社」という言葉はとても幅が広く、ここを最初に整理しておくだけで会社選びの遠回りがぐっと減ります。この記事を読み終えるころには、自分が頼むべき相手の種類・料金の目安・失敗しない選び方が分かるようになっています。
目次
現場からの一言
セキュリティ会社を探しているお客様から、最初は「家庭用の防犯と勘違いしていた」とご相談いただくことがあります。実際にお話を伺うと、本当に必要だったのは店舗前の交通誘導や施設の常駐だった、というケースが多いです。人を配置する警備は、現場の時間帯や人数、資格者の有無で費用が変わるため、最初に「どの現場で・何のために・何人くらい」を整理してご相談いただくと、見積もりも手配もスムーズに進むと感じています。急な現場でも、まずは気軽にご相談いただければと思います。
— 株式会社FAIRセキュリティ 副社長・古川 友之
この記事で分かること
まず最初に、この記事のゴールを3つにまとめておきますね。
- 「セキュリティ会社」と「警備会社」の違いと、自分が探しているのはどちらかの見分け方
- 法人・店舗が頼む人的警備(施設警備・交通誘導・イベント警備)の種類と料金相場
- 失敗しないセキュリティ会社の選び方チェックリストと、中小規模でコストを抑えるコツ
「セキュリティ会社」と「警備会社」って何が違うの?
大きく分けると、「セキュリティ会社」は機器で守る会社、「警備会社」は人で守る会社、と考えると整理しやすいです。ただし呼び方は会社ごとにバラバラで、はっきりした線引きがあるわけではありません。
「セキュリティ会社」という言葉は、防犯カメラやセンサーを設置して異常時に駆けつ ける機器サービスを指すことが多いです。いわゆるホームセキュリティ系がこれにあたります。一方「警備会社」は、警備員という「人」を現場に配置して、施設の見回りや交通誘導をするサービスが中心です。
とはいえ、機器サービスを持つ会社が「警備会社」を名乗ることもありますし、人を配置する会社が「セキュリティ」と名乗ることもあります。だからこそ、言葉のイメージだけで判断せず、「自分は機器がほしいのか、人に来てほしいのか」を先に決めるのが大事なんです。
もう少し具体的に見てみましょう。「機器で守る」サービスは、カメラやセンサーを設置して、異常を感知したらセンターに通報し、必要に応じてスタッフが駆けつける仕組みです。基本的には機械が24時間見張っていて、人はあくまで異常時に動く形になります。月額数千円から始められる手軽さが特徴で、留守がちな自宅や無人の事務所の見守りに向いています。
一方「人で守る」サービスは、警備員が実際にその場に立ち続けます。受付に座って出入りをチェックしたり、現場で車を誘導したり、人の目と判断でその場の状況に対応します。機械では対応しきれない「臨機応変な判断」「来客対応」「現場での誘導」が必要なときは、こちらが向いています。そのぶん人件費がかかるので、料金感は機器サービスより大きくなります。
ここだけ覚えてください:会社名の「セキュリティ/警備」という表記では中身は判断できません。「機器で守る(=異常時に駆けつけ)」のか「人で守る(=その場に立ち続ける)」のか、サービスの中身で見分けるのが正解です。
あなたが探しているのはどっち?個人宅向けと法人向けの見分け方
守りたい対象が「自宅」なら機器中心のホームセキュリティ、「店舗・施設・工事現場」なら人を配置する人的警備が基本の選択肢になります。ここを取り違えると、見積もりを取っても話がかみ合いません。
下の表で、自分がどちらを探しているかをチェックしてみてください。
| 探している状況 | 向いているサービス | 主な内容 |
|---|---|---|
| 自宅の留守中・夜間の侵入が不安 | ホームセキュリティ(機器中心) | センサー・カメラ設置、異常時の通報・駆けつけ |
| 店舗やオフィスに常駐で人を置きたい | 施設警備(人的警備) | 受付・巡回・出入管理を行う常駐警備 |
| 工事現場や駐車場で車・歩行者を誘導したい | 交通誘導警備(人的警備) | 車両誘導・歩行者の安全確保 |
| イベントや催事で人の流れを整理したい | イベント・雑踏警備(人的警備) | 来場者の案内・誘導・混雑整理 |
「自宅を守りたい」方はホームセキュリティの比較記事を見たほうが早いです。一方で「店舗・施設・現場に人を立てたい」方は、ここから先で解説する人的警備の話が役に立ちます。この記事は主に後者(法人・店舗・現場向けの人的警備)を中心にお伝えしていきますね。
お急ぎの方は、現場条件に合わせた無料見積もりの相談もご利用ください。
法人・店舗が頼む人的警備の種類
人的警備は大きく「施設警備」「交通誘導・雑踏警備」の2系統に分かれ、現場の目的によって頼む種類が変わります。同じ警備でも役割が違うので、最初にどれが必要かを整理しておきましょう。
警備業務は法律上いくつかの区分がありますが、法人・店舗の方が依頼することが多いのは次の種類です。混同しやすいので、適した現場とあわせて表にまとめました。
| 種類 | 主な役割 | 適した現場 |
|---|---|---|
| 施設警備(常駐) | 受付・巡回・出入管理・防災センター対応 | オフィスビル・商業施設・工場・マンション |
| 交通誘導警備 | 車両・歩行者の誘導、安全確保 | 道路工事・建設現場・駐車場・店舗前 |
| 雑踏(イベント)警備 | 来場者の案内・誘導・混雑時の整理 | 祭り・展示会・スポーツ大会・セール |
それぞれもう少し補足しますね。施設警備は、ビルや商業施設の入口に立って受付・出入管理をしたり、館内を定期的に巡回して異常がないかを確認したりする仕事です。火災やトラブルが起きたときの初期対応も担うため、「その施設に常に人がいる安心感」が価値になります。テナントが多い建物や、不特定多数が出入りする施設で頼まれることが多いです。
交通誘導警備は、道路工事や建設現場、店舗前の駐車場などで、車や歩行者が安全に通れるように誘導する仕事です。事故やトラブルを未然に防ぐ役割があり、工事を伴う現場ではほぼ必須になります。現場の規模や道路状況によって必要な人数が変わるのが特徴です。
雑踏(イベント)警備は、お祭りや展示会、セールなどで人が大勢集まる場面で、来場者の流れを整理し、転倒や将棋倒しといった事故を防ぐ仕事です。一時的に来場者が集中する催事では、安全管理の観点から配置が求められます。
「とりあえず警備をお願いしたい」と漠然と相談するより、「どの現場で・何のために・何人くらい」をイメージしてから問い合わせると、見積もりも手配もスムーズになります。逆にここが曖昧だと、必要以上の人数で見積もられたり、逆に足りずに当日バタついたりすることがあるので、最初の整理がとても大事です。
セキュリティ会社(人的警備)の料金相場と内訳
首都圏では交通誘導員1名・日勤で16,500円〜25,000円、施設警備の常駐は1ポストあたり月45万円〜80万円程度が一般的な相場です。料金の多くは人件費なので、機器サービスのような「月数千円」とは金額感が大きく異なります。
まずは業務別のおおまかな相場を見てみましょう。あくまで一般的な目安なので、現場条件で前後する点はあとで説明します。
- 交通誘導員 1名・日勤:16,500円〜25,000円(8時間目安)
- 施設警備(昼間8時間):14,000円〜16,000円程度
- 夜間・土日祝の警備(8時間):19,000円〜23,000円程度(割増が入る)
- 施設常駐(月極・1ポスト):月45万円〜80万円程度
「思ったより高い」と感じた方もいるかもしれません。その理由は料金の内訳にあります。警備料金の中身は、ざっくり次のような構成です。
- 人件費:全体のおよそ6割(警備員への給与)
- 法定福利費:2割強(社会保険など、会社が負担する分)
- 諸経費:2割弱(教育・装備・管理・移動などのコスト)
つまり警備料金は「人を1人、安全に・教育を受けた状態で現場に立たせるための総コスト」です。極端に安い見積もりは、この中のどこかを削っている可能性があるので、安さだけで飛びつかないのがポイントです。
ここで知っておいてほしいのが、警備料金には公的な目安が存在することです。公共工事では「公共工事設計労務単価」、建物管理では「建築保全業務労務単価」といった基準が国によって毎年公表されており、警備の適正な料金感のベースになっています。きちんとした会社は、こうした単価も踏まえて見積もりを出してきます。逆に、相場から大きく外れて安い場合は、教育や保険、必要な人数のどこかにしわ寄せが来ている可能性を疑ったほうがよいでしょう。(参考: 国土交通省「公共工事設計労務単価」 https://www.mlit.go.jp/ )
お急ぎの方は、現場条件に合わせた無料見積もりの相談もご利用ください。
料金が変わる3つの要因
警備料金は「有資格者の配置」「時間帯・時期」「契約の規模と期間」の3つで大きく変わります。同じ「警備員1名」でも、この条件次第で数千円単位で差が出ます。
見積もりを見比べるときは、この3点が条件に含まれているかを確認すると、金額の違いの理由が見えてきます。
有資格者の配置
交通誘導や雑踏の現場では、国家資格を持つ警備員の配置が必要なケースがあります。資格者を入れると、1名あたり3,000円〜5,000円ほど高くなるのが一般的です。逆に「やけに安い」見積もりは、必要な資格者が入っていない可能性もあるので注意してください。
時間帯と時期
夜間・早朝・土日祝は割増になります。また交通誘導は工事が増える冬場が繁忙期で、料金が上がりやすい傾向があります。春〜夏は比較的相談しやすい時期です。都市部は警備員が不足しがちなので、地方より高くなる傾向もあります。
契約の規模と期間
1日だけのスポット依頼より、長期・複数名でまとめて契約したほうが1名あたりの単価は下がりやすいです。逆に当日や直前の急な依頼は、手配コストがかかるぶん割高になることがあります。
失敗しないセキュリティ会社の選び方チェックリスト
会社選びで失敗しないコツは、料金の安さだけで決めず「認定・体制・対応エリア・見積もりの透明性」を確認することです。安さだけで選ぶと、当日キャンセルや警備員の質のばらつきで結局困ることがあります。
初めて依頼する方でも判断しやすいよう、確認したい観点をチェックリストにしました。
- 公安委員会の認定を受けているか(警備業は認定が必須です)
- 警備員指導教育責任者など、教育体制が整っているか
- 自分の現場エリアに対応した実績があるか
- 見積もりの内訳(人数・時間・資格者・割増)が明確に出てくるか
- 急な増員・変更や当日手配に、どこまで対応してもらえるか
- 担当者と連絡が取りやすく、指揮系統がはっきりしているか
少し補足します。公安委員会の認定は、警備業を営むうえで法律上必須のものです。認定番号を公式サイトなどに明記している会社は、最低限の信頼の土台があると考えてよいでしょう。教育体制も重要で、警備員は配置前後に決められた教育を受けることになっています。ここがしっかりしている会社ほど、現場での対応にばらつきが出にくいです。
そして見落としがちなのが対応エリアの実績と指揮系統です。自分の現場エリアに近い拠点を持つ会社なら、移動の負担が少なく、急な増員や当日対応にも応えてもらいやすくなります。また、トラブルがあったときに「誰に連絡すればすぐ動いてくれるか」がはっきりしている会社のほうが、いざというとき安心です。見積もりの段階で、こうした体制まで確認しておくと失敗が減ります。
地雷を避けるヒント:「一式◯◯円」のように内訳が出てこない見積もりは要注意。あとから追加料金が発生したり、当日キャンセルや突然の値上げにつながることがあります。内訳を出してくれる会社を選びましょう。なお、より詳しい選び方の手順は別記事でも解説しているので、あわせてご覧ください。
中小企業・小規模な現場がコストを抑えて頼むコツ
小さな現場でも、依頼の仕方を工夫すれば費用は抑えられます。「必要な日時を絞る」「まとめて頼む」「地域に強い会社を選ぶ」の3つが効きます。大手だけが選択肢ではありません。
「うちは小さい現場だから相手にしてもらえないかも」と心配される方もいますが、地域密着の警備会社なら小規模でも柔軟に対応してくれることが多いです。コストを抑えるための具体的なコツを挙げておきますね。
- 必要な時間帯だけに絞る:終日ではなく混雑する時間だけに配置すると総額を抑えられます
- 複数日・複数名はまとめて相談する:継続・まとまった依頼は単価が下がりやすいです
- 繁忙期を避けられるなら時期をずらす:交通誘導は冬が高くなりがちです
- 対応エリアに強い会社を選ぶ:移動コストが少ないぶん、急な依頼にも応えてもらいやすいです
- 早めに相談する:直前依頼は割高になりやすいので、日程が見えたら早めに見積もりを取りましょう
「最短当日でお願いしたい」という急ぎの相談に対応してくれる会社もあります。日程に余裕がないときは、地域に拠点を持つ会社に早めに連絡するのがおすすめです。
もうひとつ、コストの考え方として覚えておきたいのが「安さ=得とは限らない」という点です。相場より極端に安い見積もりに飛びついた結果、当日に警備員が来なかった、対応が雑で現場が回らなかった、という話は珍しくありません。そうなると工事や営業そのものが止まってしまい、かえって高くつきます。料金は内訳を見て「適正かどうか」で判断し、信頼して任せられる会社にお願いするのが、結局いちばんのコスト削減になります。
よくある質問
- Q. セキュリティ会社と警備会社は同じ意味ですか?
- A. 厳密な定義はなく重なる部分もありますが、一般には「セキュリティ会社」は防犯機器中心のサービス、「警備会社」は警備員を現場に配置する人的サービスを指すことが多いです。会社名の表記だけでは中身は判断できないため、「機器で守るのか・人で守るのか」というサービス内容で見分けるのが確実です。
- Q. 個人の家を守りたいのですが、警備会社に頼めますか?
- A. 自宅の防犯であれば、センサーやカメラを設置するホームセキュリティ(機器中心)のサービスが向いています。警備員を常時自宅に配置するのは費用が高額になりやすいため、個人宅では機器サービスが一般的です。一方、店舗や事務所に人を立てたい場合は人的警備が選択肢になります。
- Q. 警備の料金はどのくらいが相場ですか?
- A. 首都圏の一般的な目安では、交通誘導員1名・日勤で16,500円〜25,000円、施設警備の昼間8時間で14,000円〜16,000円程度です。夜間や土日祝は割増になり、施設常駐の月極は1ポスト月45万円〜80万円程度が相場です。資格者の配置や時期で変動するため、必ず見積もりで内訳を確認しましょう。
- Q. 小さな現場や短時間でも依頼できますか?
- A. 多くの会社が短時間・少人数のスポット依頼にも対応しています。ただし1日だけ・直前の依頼は手配コストがかかるぶん割高になりやすいです。必要な時間帯に絞る、日程が見えたら早めに相談する、地域に強い会社を選ぶといった工夫で費用を抑えやすくなります。
- Q. 安い警備会社を選んで大丈夫でしょうか?
- A. 料金の安さだけで選ぶのは避けたほうが安全です。警備料金の約6割は人件費で、極端に安い見積もりは教育や資格者配置などを削っている可能性があります。当日キャンセルや警備員の質のばらつきにつながることもあるため、見積もりの内訳が明確で、公安委員会の認定を受けた会社を選びましょう。
まとめ
「セキュリティ会社」という言葉は幅が広く、機器で守る会社と人で守る会社の両方を含みます。だからこそ、最初に「自分は機器がほしいのか、人に来てほしいのか」を決めることが、遠回りしない会社選びの第一歩です。
店舗・施設・現場に人を配置したい場合は、施設警備・交通誘導・イベント警備の中から現場に合う種類を選び、料金は内訳(人数・時間・資格者・割増)まで確認するのが安心です。料金の安さだけでなく、公安委員会の認定・教育体制・対応エリア・見積もりの透明性をチェックして、信頼できる会社に相談してみてください。日程に余裕がないときほど、地域に強い会社に早めに連絡するのがおすすめです。
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