警備業協会とは?認定との違いと、警備会社選びで会員を見る意味

警備業協会は、警備会社が任意で入る業界団体です。法律で必ず必要な「警備業の認定」とは、まったく別のものです。

「この会社、協会に入ってるって書いてあるけど、それって何かすごいの?」。警備を頼もうとして調べていると、こんなところで手が止まります。

ところが協会のサイトを開いても、載っているのは「入りたい警備会社向け」の案内ばかり。頼む側が知りたいことは、なかなか出てきません。

そこでこの記事では、会員かどうかが会社選びでどこまで判断材料になるのか、そして会員かどうかを自分で調べる方法までを、頼む側の目線でまとめます。

現場からの一言

警備をお願いしたいという最初のご連絡で、「協会に入っている会社ですか」と聞かれることがときどきあります。どこを見て選べばいいのか分からないまま、手がかりを探していらっしゃるのだと感じています。そういうときは、まず認定を受けているかを自分で確かめる方法をお伝えして、そのうえで現場に何人を何時間配置するのか、報告はどう上げるのかという具体的な話に移るようにしています。協会の会員かどうかより、そちらのほうが判断の助けになるケースが多いです。

— 株式会社FAIRセキュリティ 副社長・古川 友之

この記事でわかること

  • 警備業協会がどんな団体で、全国と都道府県がどうつながっているのか
  • 法律で必須の「認定」と、任意で入る「協会の会員」は何が違うのか
  • 会員かどうかの調べ方と、会社選びでの正しい使いどころ

警備業協会とは?まず押さえたい3つのこと

警備業協会は、警備会社が集まってつくっている業界団体です。役所ではありませんし、入らないと警備の仕事ができない、という組織でもありません。

頼む側として押さえておきたいのは、次の3つだけです。

  • 入るかどうかは任意。法律上の義務ではありません
  • 協会は都道府県ごとにあり、警備会社はまず地元の協会に入ります
  • 都道府県の協会に入ると、全国の枠組みにも自動的に加わる形になります

全国の組織としては、1980年(昭和55年)につくられた全国警備業協会(略称:全警協)があります。「全国の協会に直接申し込む」のではなく、地元の協会に入った結果として全国につながる、という順番です。

やっていることは、研修や検定の講習、教本の提供、相談の窓口、表彰や弔慰の制度など。ひとことで言えば「警備会社が仕事をしやすくするための支援」が中心です。

「警備業の認定」と「協会の会員」はまったく別のもの

ここがいちばん混ざりやすいところです。認定は法律で義務、協会の会員は任意。この2つは、まったく別の話です。

警備業法では、警備業を営もうとする者は都道府県公安委員会の認定を受けなければならないと定められています(第4条)。認定を受けずに警備業を営めば、100万円以下の罰金の対象です(第57条)。つまり認定がなければ、そもそも警備の仕事を請け負えません。

一方の協会は、入っていなくても堂々と営業できます。入っていないことは、違反でも何でもありません。

ここだけ持ち帰ってください
・認定=法律で必須。無ければ営業できない。しかも有効期間は5年で、更新しないと効力を失います(警備業法第5条・第7条)
・協会の会員=任意。入っていなくても違法ではない

だから会社を見る順番も決まります。まず認定、そのあとに会員かどうか。逆にすると、いちばん大事なところを飛ばすことになります。

(出典:e-Gov法令検索『警備業法』 https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117)

お急ぎの方は、現場条件に合わせた無料見積もりの相談もご利用ください。

警備会社を選ぶとき、会員かどうかは判断材料になるのか

結論から言うと、材料のひとつにはなりますが、それだけで決めるものではありません。会員であることは「業界の情報や研修の場につながっている」ことは示しますが、現場の質そのものを保証してはくれないからです。

会員かどうかから読み取れるのは、だいたいこのあたりです。

  • 研修や検定の講習に、会社として参加しやすい環境にあること
  • 官公庁や業界団体からの情報が入ってくる立場にあること
  • 会費を払い続けられる程度には、事業が続いていること

逆に読み取れないのが、実際に来る警備員の経験、報告の丁寧さ、急な依頼に動けるかどうか。ここは会員かどうかとは関係がなく、見積もりと打ち合わせで確かめるしかありません。

ほかの見るべき点とあわせて整理したい方は、警備会社の選び方をまとめた記事も参考にしてみてください。

会員かどうかを自分で調べる方法

いちばん確実なのは、都道府県の警備業協会のサイトにある会員名簿を見ることです。会社名で探せば、加盟しているかどうかはその場で分かります。名簿の出し方は協会ごとに違うので、見つからないときは協会に直接聞くのが早いです。

そして、それ以上に確かめてほしいのが認定のほう。警備業者には、認定を受けたことを示す標識を営業所の見やすい場所に掲げる義務があり、事業の規模が著しく小さい場合などを除いて自社のホームページでも公開する義務があります(警備業法第6条)。

つまり会社のサイトを見れば、認定を受けているかどうかは誰でも確認できます。依頼する前に、ここだけは必ず見ておいてください。

「加盟していない会社=信用できない」ではありません

ここは公平に書いておきます。協会に入っていない警備会社はたくさんありますし、入っていないこと自体は何の問題でもありません。

会費を払う価値があるかは会社の規模ややり方で変わりますし、始めてまだ日が浅い会社もあります。

「会員だから安心」「非会員だから危ない」と単純に線を引くと、本当に見るべき認定や現場の体制を見落とします。会員かどうかは、あくまで補助的な材料として使ってください。

警備会社が協会に入るには?条件・費用と、働く人への影響

入会の手続きは、協会によって違います。大まかな流れは「申込書と必要書類を出す → 理事会で審議して承認 → 入会金を納める」です。

ただし細かいところは分かれていて、地区の担当理事の推薦をもらってから申し込む方式のところもあれば、事務局や支部に書類を出せば受け付けるところもあります。

入会金と年会費は「協会によって違う」が結論

これは正直に書きます。金額を公開していない協会が多く、全国共通の相場として示せる数字がありません。

公開している例では入会金が10万円台から20万円ほどという幅があり、年会費は警備員の人数で段階が分かれる方式をとる協会もあります。ただ、これも一部の例にすぎません。

金額を知りたいときは、加入を考えている都道府県の協会に直接問い合わせるのが唯一確実な方法です。ネット上の古い数字をあてにしないほうがいいです。

働く人から見ると、教育と検定の入り口が増えます

警備の仕事を探している方には、ここがいちばん実利のある話かもしれません。協会は現任教育や各級検定の特別講習を会員価格で提供していて、教本も割引になります。

つまり会員の会社は、社員を講習に送り出しやすいということ。検定を取れば任される現場も手当も変わってくるので、長く働くつもりなら効いてきます。

とはいえ、これも「会員だから必ず資格が取れる」ではありません。実際に行かせてもらえるかは会社の方針次第です。

ですから応募のときは、「検定の講習には行かせてもらえますか」と面接で直接聞くのがいちばん確実です。研修と初出勤の流れをまとめた記事もあわせてどうぞ。

よくある質問

Q. 警備業協会に入っていない警備会社に頼んでも問題はありませんか?
A. 問題ありません。協会への加盟は任意で、法律上の義務ではないからです。警備の仕事を請け負うために必ず要るのは、都道府県公安委員会の認定のほうです。協会の会員でない会社も普通に営業しています。会社を選ぶときは、まず認定を受けているかを確かめ、そのうえで見積もりの内容や現場の体制を比べてください。
Q. 「警備業の認定」と「警備業協会の会員」は何が違うのですか?
A. 必須かどうかが違います。認定は法律上の義務で、警備業法では警備業を営もうとする者は都道府県公安委員会の認定を受けなければならないと定められています。認定がなければ営業できません。一方、協会の会員は任意の加入です。入っていなくても違法ではなく、警備の仕事も普通に請け負えます。
Q. ある警備会社が協会の会員かどうかは、どうすれば調べられますか?
A. 都道府県の警備業協会のサイトに載っている会員名簿を見るのが確実です。会社名で探せば、加盟しているかどうかがその場で分かります。名簿の出し方は協会ごとに違うので、見つからないときは協会へ直接問い合わせてください。認定のほうは、警備会社のホームページに掲示されている標識で確認できます。
Q. 警備会社が協会に入ると、入会金や年会費はいくらかかりますか?
A. 金額は協会によって違い、公開していない協会が多いため、全国共通の相場はありません。公開している例では入会金が10万円台から20万円ほどという幅があり、年会費は警備員の人数で段階が分かれる方式をとる協会もあります。正確な金額は、加入を考えている都道府県の協会に直接確認してください。
Q. 協会の会員の会社で働くと、警備の資格は取りやすくなりますか?
A. 取りやすい環境はあります。協会が現任教育や各級検定の特別講習を会員価格で提供していて、教本も割引になるため、会社が社員を講習に送り出しやすくなるからです。ただし実際に行かせてもらえるかは会社の方針によります。応募の前に、検定の講習に参加させてもらえるかを面接で確かめておくと確実です。

まとめ

警備業協会は、警備会社が任意で入る業界団体です。法律で必須の「警備業の認定」とは別の話で、会員でなくても警備の仕事はできます。

会社を選ぶときの順番は、こう覚えておいてください。

  • まず認定。会社のホームページに掲示されている標識で確認できます
  • 次に見積もりと現場の体制。人数・時間・報告のしかたを具体的に聞く
  • 会員かどうかは補助的な材料。入っていない=危ない、ではありません

協会の会員かどうかだけで決めようとすると、かえって判断を誤ります。認定という土台を確かめたうえで、実際に来てくれる人と現場の話をしていくのが、いちばん確かな選び方です。


執筆者

(ふるかわ ともゆき)
株式会社FAIRセキュリティ 副社長/警備業界15年
保有資格: 2号警備業務検定資格者 / 2号警備員指導教育責任者

運営会社

株式会社FAIRセキュリティ(株式会社FAIR 警備事業)
東京都公安委員会認定 第30004647号
対応エリア: 東京都・神奈川県は全域/埼玉県・千葉県の東京寄りエリア
対応業務: 施設警備・交通誘導・イベント警備
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