アルバイト警備員は、18歳以上なら未経験でも始められます。働き始める前に、法律で決められた20時間以上の研修を受けるところからスタートします。
応募して不安になるのは、たいてい「いくらもらえるのか」と「初日に何をすればいいのか」の2つです。仕事の種類そのものより、この2つが分からないまま応募をためらう人が多いところです。ここでは、東京・神奈川で働く場合の給料の目安、研修の中身と研修中の賃金、応募してから初出勤までに起きることを、実際に進む順番どおりに並べて説明します。読み終えたときに、自分がこの先どう動けばいいかが分かる状態を目指します。
現場からの一言
初めて現場に出る日は、誰でも緊張されるものです。研修で旗の振り方を覚えていても、実際に車が近づいてくると手が止まってしまう方がほとんどで、そこは先輩が横につきながら少しずつ慣れていただくケースが多いです。私たちが初出勤の前にいちばんお伝えしているのは、技術のことよりも「暑さ寒さの備えをしてきてください」という一言かもしれません。装備や手順は数日で身につきますが、体調を崩すと続けることそのものが難しくなるからです。長く働いていただける方は、例外なくこの準備が上手だと感じています。
— 株式会社FAIRセキュリティ 副社長・古川 友之
目次
この記事で分かること
先に、この記事で持ち帰れることを3つにまとめます。
- 東京・神奈川の日給の目安と、夜勤・交通費まで入れたときに1日で手元に残るおおよその額
- 働く前に必ず受ける研修が20時間以上である法的な根拠と、その間も賃金が出るということ
- 応募の電話をかけてから初出勤を終えるまでに、何がどの順番で起きるのか
警備員のアルバイトってどんな仕事?3つの種類
警備のアルバイトは大きく3種類あり、働く場所も1日の過ごし方もかなり違います。「警備員」とひとくくりに考えて応募すると、思っていた仕事と違うということが起きやすいところです。まずは自分がどれに応募しようとしているのかを確かめてください。
交通誘導(工事現場や駐車場)
道路工事や建築現場のそばに立ち、車と歩行者が安全にすれ違えるように誘導する仕事です。屋外での立ち仕事が中心で、募集の数がいちばん多いのもこの職種です。現場ごとに場所が変わるので、毎回同じ場所へ通うわけではありません。天候の影響を受けやすい反面、日給が高めに設定されていることが多く、直行直帰で通勤の自由がきく現場もあります。
雑踏警備(イベント会場)
お祭り、花火大会、スポーツの試合、コンサートなど、人がたくさん集まる場所で列の整理や案内を行います。土日や連休に募集が集中し、1日だけ・数日だけの単発で入れるのがこの職種の特徴です。まとまった期間は働けないけれど、空いている週末だけ稼ぎたいという人と相性がよい仕事です。
施設警備(ビル・商業施設)
オフィスビル、商業施設、学校などの中で、受付や出入りの確認、決められたルートの巡回、モニターの監視などを行います。屋内なので天候に左右されず、座って過ごす時間もあります。同じ場所へ通うため人間関係や仕事の流れが安定しやすく、体力に不安がある人が最初に選びやすい職種です。夜勤があるかわりに仮眠時間が設けられている現場もあります。
1日の流れを並べると違いがはっきりします。交通誘導は、指定された集合場所に朝7時前後に集まり、朝礼で当日の現場と装備を確認してから持ち場へ移動します。工事が始まる時間に合わせて誘導を始め、工事の休憩に合わせて交代で休み、工事が終われば片付けて解散です。現場の進み具合で終了時刻が前後することがあり、雨で工事が中止になれば早上がりになる日もあります。
一方の施設警備は、建物の開館時間に合わせて出勤し、前の時間帯の担当者から引き継ぎを受けるところから始まります。あとは受付に立つ時間と、決められたルートを見回る時間が交互に来る形で、時間割がほぼ固定です。終了時刻も引き継ぎで区切られるため、何時に帰れるかが読みやすいのが交通誘導との大きな違いです。予定を立てて動きたい人ほど、この差は効いてきます。
時給・日給の目安と、1日で手元に残る額
東京・神奈川のアルバイト警備員は、日給10,000円〜15,000円あたりが募集の中心です。時給で書かれている場合は1,200円台から1,500円前後が目安になります。求人サイトでよく見る全国平均の数字より、この2つの都県は高めに出ます。
ただし、求人票に書かれた金額がそのまま手元に残るわけではありません。次の3つで実際の金額は動きます。
- 深夜の割増:22時から翌朝5時までに働いた分は、25%以上の割増賃金が法律で決められています(労働基準法 第37条)。時給1,300円ならこの時間帯は1,625円以上になります
- 交通費:全額支給、1日あたり上限つき、支給なしの3パターンがあります。現場が毎回変わる交通誘導では、この差が月単位で大きく効いてきます
- 日払い・週払いの手数料:早くもらえるかわりに、1回ごとに数百円の振込手数料が引かれる会社があります
時給の下限は法律で決まっています。2026年9月時点の最低賃金は東京都が時間額1,226円で、神奈川県もほぼ同じ水準です。さらに2026年10月1日から東京都は1,280円、神奈川県は1,279円へ引き上げられる見込みです(答申段階のため、確定額は各労働局の発表で確認してください)。日給を働く時間で割って、この額を下回っていないかは応募前に一度計算しておくと安心です。
出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
警備の求人は「日給」で書かれていることが多いので、ほかのアルバイトと比べるときは時給に直してみてください。計算はかんたんです。
- 日給12,000円 ÷ 実働8時間 = 時給1,500円
- 日給10,000円 ÷ 実働8時間 = 時給1,250円
- 日給10,000円でも実働10時間なら = 時給1,000円
同じ日給でも、実際に働く時間が違えば時給は変わります。求人票の「日給」と「実働時間」は必ずセットで見てください。
目安として、日給12,000円・交通費全額支給の現場に月8日入った場合、月の収入はおよそ96,000円になります。同じ日給でも交通費が出ない現場だと、往復1,000円かかるなら8,000円分が実質的に減る計算です。求人を見比べるときは、日給の数字だけでなく交通費の欄をセットで見てください。
応募を検討されている方は、求人・応募フォームから気軽にお問い合わせいただけます。
未経験から始める|最初の研修は「20時間以上」
警備の仕事は、現場に立つ前に必ず研修を受けます。これは会社が親切でやっていることではなく、警備業法で義務づけられているものです。新しく警備員になる人が受ける研修(新任教育)は、基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上と定められています(警備業法施行規則 第38条)。
「30時間」と書かれた情報は古い可能性があります。以前は基本教育15時間・業務別教育15時間の合計30時間でしたが、2019年8月30日施行の改正で合計20時間以上に短縮されました。いまも30時間と説明している記事や求人が残っているので、応募先の説明と食い違ったら会社に確認してください。
出典:e-Gov法令検索「警備業法施行規則」 https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000002001
20時間というと身構えますが、1日6〜7時間で3日前後に分けて受けるのが一般的です。座学が中心で、体力を試されるようなものではありません。
基本教育(警備員としての土台)
どの職種に進む人も共通で受ける部分です。警備業務の基本的な考え方、警備員としての心構え、警備業法などの関係する法律、事故が起きたときに警察へ連絡する手順、護身用具の扱い方などを学びます。法令の話が出てきますが、覚えなければ現場に立てないというより、判断に迷ったときの拠りどころを知っておくための時間です。
業務別教育(配属される現場のやり方)
交通誘導なら旗と誘導灯の振り方や車の止め方、施設警備なら巡回の手順や不審者への対応というように、自分が実際に配属される職種のやり方を学びます。実技が入るのはおもにこちらで、先輩が手本を見せてから実際にやってみる形が多いです。
気になるのは研修中の給料ですが、研修は会社の指示で受けるものなので労働時間にあたり、賃金が支払われます。金額は現場勤務と同じ場合と、研修用の単価が別に決まっている場合があります。ここは会社によって差が出るところなので、応募のときに「研修は何日で、その間はいくら出ますか」と聞いてしまうのがいちばん確実です。答えをはぐらかす会社は、その時点で候補から外して構いません。
応募から初出勤までの流れ(持ち物・服装・当日の動き)
応募してから初めて現場に立つまでは、早ければ1週間ほどです。順番はおおむね次のとおりで、どの会社でも大きくは変わりません。
- 応募・電話連絡:求人サイトや電話で応募すると、担当者から折り返しの連絡が来ます。ここで面接の日時を決めます
- 面接:志望動機を深く問われるより、週に何日入れるか、通える範囲はどこか、健康面で気になることはないか、といった確認が中心です
- 書類の提出:身分証明書のほか、住民票や、警備業法で定められた要件を満たしているかを確認するための書類を出します。用意に数日かかるものもあるので、面接時に何が必要か聞いておきます。警備業法では、18歳未満の人や、破産して復権していない人などは警備員になれないと決められており、この確認のために書類が必要になります
- 研修:上で説明した20時間以上の研修を、3日前後かけて受けます
- 初出勤:配属先の現場に入ります。最初のうちは先輩と組んで動くのが普通です
初出勤の持ち物は、指示された制服一式、身分証、飲み物、雨具が基本です。制服は会社から貸与されますが、靴は自前で用意するよう言われることがあります。安全靴の指定があるかどうかは現場によるので、事前に確認してください。屋外の現場に入るなら、夏は塩分の取れるものと日焼け対策、冬は防寒のインナーを足すと体が楽になります。現場によっては昼食を買える店が近くにないこともあるため、初日は食べるものを持参しておくと困りません。
当日は、指定された集合場所に集合時刻の10〜15分前に着くようにします。朝の朝礼でその日の現場の説明と装備の確認を行い、持ち場に移動して業務を始めます。休憩は現場の状況に合わせて交代で取り、業務が終わったら片付けと報告をして解散です。現場が変わる交通誘導では、そのまま自宅へ帰る直行直帰になることも多いので、会社に戻る必要があるかどうかは前日までに確認しておくと迷いません。
「きつい」と言われる理由と、選び方で減らせる部分
きついと言われる理由はだいたい決まっていて、そのうち半分は職種と現場の選び方で軽くできます。全部を我慢する必要はありません。
- 立ちっぱなしで足が疲れる:交通誘導と雑踏警備で起きやすい負担です。座る時間のある施設警備を選ぶ、靴とインソールを自分に合うものに替える、で変わります
- 天候がつらい:真夏と真冬の屋外は体にこたえます。屋内の施設警備なら影響を受けません
- ずっと同じ動作で退屈:人によっては、話しかけられずに済むので気が楽だという評価に変わります。ここは向き不向きが分かれるところです
- 夜勤で生活リズムが崩れる:割増がつくぶん収入は増えますが、体調との相談です。まず日勤で慣れてから試すのが無難です
- 一人で立つ時間が長く心細い:最初のうちは先輩と組める会社かどうかを、面接で聞いておきます
言い換えると、屋外・夜勤・単独という条件が重なるほどきつくなります。体力や生活リズムに不安があるなら、この3つが重ならない現場から始めてください。慣れてから条件を1つずつ足していけば、収入も無理なく上げられます。
週1だけ・掛け持ちはできる?立場別の選び方
週1日からの募集は多く、他の仕事との掛け持ちも一般的です。ただし立場によって選ぶべき職種は変わります。同じ「警備のバイト」でも、合う現場が違うためです。
- 学生:土日に集中する雑踏警備が組みやすく、試験期間に休みを入れやすいのが利点です。年齢は18歳以上であることが条件で、高校生は対象外になります
- 主婦(主夫):日中で終わる施設警備の日勤が向きます。勤務時間が読めるので、家の予定と重なりにくいのが理由です
- シニア:年齢の上限を設けない募集が多い職種です。屋内で天候に左右されない施設警備から始め、体調に合わせて日数を調整するのが現実的です
- 掛け持ちの人:シフトの締め切り日と最低勤務日数を先に確認します。ここが合わないと、続けたくても回らなくなります
応募前に自分で確かめておきたい5点。求人票と面接で、この5つがはっきりする会社を選んでください。
① 研修は何日間で、その間の賃金はいくらか
② 交通費は全額支給か、上限があるか
③ 日払い・週払いに手数料がかかるか
④ シフトの締め切りはいつで、週の最低勤務日数はあるか
⑤ 最初のうちは先輩と組んで入れるか
よくある質問
- Q. アルバイト警備員は未経験でも本当に採用されますか?
- A. はい、未経験からの採用がほとんどです。警備の仕事は、働き始める前に法律で決められた研修を受けることが前提になっているため、経験や資格を持っていない人が入ってくることを想定した仕組みになっています。応募の時点で求められるのは、18歳以上であることと、決められた時間に現場へ通えることの2点が中心です。
- Q. 働く前の研修は何時間くらいで、その間の給料は出ますか?
- A. 新しく警備員になる人の研修は、基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上と法律で決まっています。1日6〜7時間で3日前後に分けて受けるのが一般的です。研修は会社の指示で受けるものなので労働時間にあたり、賃金が支払われます。金額は現場勤務と同じか、研修用の単価が別に決められている場合があります。
- Q. 週1日だけ、他の仕事と掛け持ちでも働けますか?
- A. 週1日からの募集は多く、掛け持ちで働いている人もめずらしくありません。ただし、シフトの締め切り日や最低勤務日数は会社ごとに違います。応募のときに「週に何日入れるか」「何曜日が固定で無理か」を先に伝えておくと、後でシフトが合わずに辞めることになりにくいです。
- Q. 夜勤があると、給料はどのくらい増えますか?
- A. 22時から翌朝5時までの時間帯に働いた分は、労働基準法で25%以上の割増賃金を支払うことが決められています。時給1,300円なら、この時間帯は1,625円以上になる計算です。夜勤の求人が日中より高く見えるのは、この割増と、深夜に人が集まりにくいことの両方が理由です。
- Q. 立ち仕事が不安です。体力に自信がなくても続けられますか?
- A. 職種の選び方で負担はかなり変わります。屋外で立ち続ける交通誘導に比べて、建物の中で受付や巡回を行う施設警備は、座って過ごす時間があり天候にも左右されません。体力に不安があるなら、施設警備の日勤から始めて、慣れてから他の現場を試すという順番がおすすめです。
まとめ
アルバイト警備員は、18歳以上であれば未経験から始められる仕事です。最初に20時間以上の研修を受け、その間も賃金が出ます。東京・神奈川なら日給10,000円〜15,000円あたりが目安で、夜勤の割増と交通費の有無で手元に残る額が変わります。
迷ったときの順番は、こう考えると決めやすくなります。体力や天候に不安があるなら屋内の施設警備から。空いた週末だけ稼ぎたいなら雑踏警備から。日給を優先するなら交通誘導から。そして応募先を比べるときは、日給の数字だけで決めず、研修中の賃金・交通費・シフトの締め切りの3つを必ず聞いてください。この3つがはっきり答えられる会社なら、働き始めてから「聞いていた話と違う」となることは、まず起きないと考えて大丈夫です。
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