施設警備(1号警備)とは、ビルや商業施設などに警備員を配置して、出入管理・巡回・監視・緊急対応で人と建物を守る警備です。「自社の施設に警備って必要なの?」「常駐と機械警備、どっちを選べばいいの?」と迷っていませんか。施設警備には人を置く常駐・巡回と、機器で見守る機械警備があり、施設の規模・予算・リスクで最適な組み合わせが変わります。この記事を読めば、施設警備の種類の違い、料金のざっくりした相場と内訳、自社に必要な体制の考え方、そして失敗しない警備会社の選び方まで、発注を検討するご担当者が知りたいことが一通りわかります。難しい専門用語は使わず、依頼する側の目線で整理していきますね。
目次
この記事で分かること
この記事は、施設警備の発注を検討している総務・施設管理のご担当者に向けて、判断に必要な情報を順番に解説します。読み終えると、次の3つがクリアになります。
- 施設警備(1号警備)とは何か、常駐・巡回・機械警備はどう違うのか
- 施設警備の料金相場と費用の内訳、施設の規模・業種別に必要な体制の考え方
- 契約・賠償・保険まで含めた「失敗しない警備会社の選び方チェックリスト」
施設警備(1号警備)とは?対象施設と他の区分との違い
施設警備とは、警備業法で「1号警備業務」に分類される、特定の施設の中で事故・盗難・火災などを防ぐ常駐・巡回型の警備です。道路工事の現場で車を誘導する交通誘導(2号)や、現金輸送(3号)、要人警護(4号)とは目的も配置場所も別物なんです。
警備業法では、警備の仕事は次の4区分に分かれています。自社が必要としているのがどれなのかを最初に押さえておくと、見積もりの依頼もスムーズになりますよ。
- 1号警備(施設警備):オフィスビル・商業施設・工場・倉庫・病院・学校・公共施設・空港などの中で行う警備
- 2号警備(交通誘導・雑踏警備):道路工事現場の車両誘導やイベント会場での人の整理
- 3号警備(貴重品運搬警備):現金や貴金属などの輸送中の警備
- 4号警備(身辺警備):人の身体を守るボディーガード業務
対象になる施設はとても幅広く、人が出入りしたり大切な資産を保管したりする場所のほとんどが施設警備の対象になりえます。「うちの施設は対象になる?」と迷ったら、出入りの管理や夜間・休日の無人化が気になるかどうかで考えると分かりやすいです。
施設警備の主な仕事内容(出入管理・巡回・監視・鍵管理・緊急対応)
施設警備員の主な仕事は、出入管理・巡回・監視・鍵の受け渡し・緊急時の初期対応の5つです。「ただ立っているだけ」というイメージを持たれがちですが、実際は施設の安全を支える幅広い役割を担っているんです。それぞれを具体的に見ていきましょう。
日常の見守りと管理の業務
毎日の業務の中心になるのが、人と建物の状態を見続ける仕事です。代表的なものを挙げますね。
- 出入管理:来訪者の受付・本人確認、入退館記録、不審者の入館防止
- 巡回:館内・敷地内を歩いて回り、施錠・消灯・異常がないかをチェック
- 立哨(りっしょう)・監視:出入口や受付に立ち、防犯カメラのモニターで館内を監視
- 鍵管理:鍵の貸出・返却の記録、開閉館作業
緊急時の初期対応
火災・地震・侵入・急病人の発生といった非常時に、119番・110番への通報、初期消火、避難誘導などの初動を担います。プロが現場にいることで、被害が大きくなる前の数分を埋められるのが施設警備の価値です。「何かあったときに誰が動くのか」が決まっている安心感は、社員の方にとっても大きいですよね。
こうした仕事の質を支えているのが、警備業法で義務づけられた教育です。警備員は仕事を始める前の新任教育に加えて、定期的な現任教育を受けることが法律で定められています。だからこそ、ただ人を立たせるのとはまったく違う、訓練された対応ができるわけです。発注する側からすると見えにくい部分ですが、料金にはこの教育コストも含まれていると知っておくと、見積もりの納得感が変わってきますよ。
また、施設警備は「目立たないけれど存在することで犯罪を思いとどまらせる」という抑止の効果も大きいんです。制服姿の警備員が出入口にいるだけで、不審者は近づきにくくなります。盗難やトラブルが起きてから対応するのではなく、起きる前に防ぐ。この予防の力こそ、人を配置する施設警備ならではのメリットといえます。
お急ぎの方は、現場条件に合わせた無料見積もりの相談もご利用ください。
常駐警備・巡回警備・機械警備の違いと選び方
常駐警備は人が常に施設に滞在、巡回警備は決められた時間に見回り、機械警備はセンサーで異常を検知して隊員が駆けつける方式です。どれが正解ということはなく、施設のリスクと予算に合わせて選ぶ、または組み合わせるのがコツなんです。3つの特徴を整理します。
ざっくりイメージ
常駐=「人がずっといて即対応」/巡回=「時間を決めて見回る」/機械=「異常があったら駆けつける」。安全性は常駐>巡回>機械、費用は常駐>巡回>機械の傾向です。
- 常駐警備:警備員が施設に常時いる方式。来訪者対応や即時の初期対応が必要なオフィスビル・商業施設・病院などに向きます。安心感は最も高い反面、人件費がかかるので費用は高めです。
- 巡回警備:警備員が決まった時間に施設を見回る方式。常時人を置くほどではないが定期的なチェックが欲しい施設や、複数拠点を効率よく見たいケースに向きます。常駐よりコストを抑えられます。
- 機械警備:センサーや防犯カメラで異常を検知し、信号を受けた待機隊員が現場に急行する方式。無人になる夜間・休日の小規模事務所や店舗に向きます。固定の人件費が少なく費用は最も抑えられますが、駆けつけまでに時間差があります。
選び方の目安はシンプルです。日中に来訪者が多く即対応が要るなら常駐、日中は手薄でも定期チェックが欲しいなら巡回、無人時間帯だけ守れればいいなら機械、と考えると整理しやすいです。実際には「日中は常駐+夜間は機械」のように組み合わせる施設も多く、これがコストと安全性のバランスを取りやすい現実的な解になります。「全部を人で固めなきゃ」と思い込まなくて大丈夫ですよ。まずは自社の施設で何時から何時までを、どのレベルで守りたいのかを書き出してみると、必要な方式が自然と見えてきます。
施設警備の料金相場と費用の内訳を発注者目線で解説
施設警備の料金相場は、常駐・日勤で警備員1名あたり1日およそ15,000円〜25,000円が目安です。夜勤・24時間・有資格者配置・繁忙期かどうかで上下します。見積もりを見て「高いのか安いのか分からない」と感じるのは、内訳が見えていないからなんです。ここで中身を分解しておきましょう。
料金は何で決まる?費用の内訳
警備料金の大部分は人件費です。発注金額は、ざっくり次の要素の積み上げでできています。
- 人件費:警備員の賃金。料金全体の中で最も大きな割合を占めます
- 法定福利費:社会保険料など、会社が負担する法律で決まった費用
- 教育・管理費:法律で義務づけられた新任・現任教育、現場管理、制服・装備の費用
- 諸経費・利益:交通費や事務管理、会社の利益分
つまり、極端に安い見積もりは、教育費や法定福利費が十分に乗っていない可能性があるということ。安さだけで選ぶと、教育の行き届いていない隊員が配置されたり、後から追加費用が出たりするリスクがあるので注意したいところです。
方式によって費用感はどれくらい変わる?
同じ施設警備でも、常駐・巡回・機械のどれを選ぶかで費用感は大きく変わります。常駐は人を時間ぶん確保するぶん最も高く、24時間体制になると交代要員が必要なので1名分では収まりません。巡回は見回りの回数や時間に応じた料金なので、常駐より抑えられます。機械警備は固定の人件費が少なく、月額の機器・監視費用が中心になるため、3つの中ではいちばん費用を抑えやすい方式です。「24時間ずっと人を置く」のと「夜間だけ機械で守る」のとでは、月々の負担がまったく違ってくるんですね。
料金が上がりやすい条件
夜勤・深夜帯の割増、24時間体制(複数名の交代制)、検定資格者の配置指定、警備の需要が高まる繁忙期(一般に夏〜年度末にかけて)。逆に、需要が落ち着く時期に早めに相談すると条件を調整しやすくなります。
料金の感覚をつかんだら、複数の警備会社から相見積もりを取って内訳を見比べるのがおすすめです。同じ「1名1日◯◯円」でも、含まれる教育や管理の中身が違うことがよくあります。見積もりを依頼するときは、警備する時間帯・必要な人数・資格者の指定の有無を先に整理して伝えると、各社の条件をそろえて比較しやすくなりますよ。「一式◯◯円」とだけ書かれた見積もりは、何にいくらかかっているのか分からないので、内訳を出してもらうようにお願いしましょう。
施設の規模・業種別に見る必要な警備体制の考え方
必要な警備体制は、施設の規模・出入りの量・守る対象のリスクで決まります。同じ「施設警備」でも、小さな事務所と大型商業施設ではまったく違う設計になるんです。自社がどのタイプに近いか、当てはめて考えてみてください。
規模・業種別のざっくりした目安
- 小規模オフィス・店舗:日中だけ人が必要で夜間は無人になりがち。機械警備中心+必要に応じて巡回、という軽めの体制が現実的です。
- 中規模オフィスビル・医療施設:来訪者対応や受付業務があるなら日中の常駐が向きます。夜間は機械警備に切り替えてコストを抑える組み合わせが定番です。
- 大型商業施設・大規模イベント施設:人の出入りが多く、複数の出入口や駐車場の管理が必要。複数名の常駐+巡回+監視を組み合わせた手厚い体制になります。
- 工場・倉庫・物流拠点:広い敷地と資産管理が課題。出入管理+敷地巡回が中心で、夜間は機械警備を併用するケースが多いです。
配置人数を考えるときは、「守るべき出入口の数」「同時に発生しうる対応の数」「無人になる時間帯」の3点で考えると過不足が出にくいです。たとえば出入口が2つある施設で1名だけだと、片方の対応中にもう片方が手薄になります。来訪者の受付と巡回を同じ人がこなすのが難しい時間帯があるなら、人数を見直すサインです。逆に、出入りがほとんどない時間帯まで人を置くのは過剰になりがちなので、その時間は機械警備に切り替えるとムダを減らせます。
警備会社に現地を見てもらい、施設に合った体制を一緒に設計してもらうのが結局いちばん失敗しません。図面や写真だけでは分からない動線や死角は、実際に現場を見て初めて見えてくるものだからです。「とりあえず1名で」と決め打ちせず、まずは相談から始めるのがおすすめですよ。現地調査を無料で行ってくれる会社も多いので、複数社に来てもらって提案を比べると、自社にとって本当に必要な体制が見えてきます。
失敗しない警備会社の選び方チェックリスト
警備会社選びで失敗しないコツは、料金の安さだけでなく、認定・教育体制・対応力・契約条件・賠償保険まで含めて公平に比較することです。ここを確認しておけば、契約後に「思っていたのと違う」となるのを防げます。発注前にチェックしたい項目をまとめました。
契約前に確認したい7項目
- 公安委員会の認定を受けているか:警備業を営むには都道府県公安委員会の認定が必須です。認定番号を確認しましょう。
- 指導教育責任者が配置されているか:法律で義務づけられた教育を統括する有資格者がいるかは、隊員の質に直結します。
- 有資格者の配置・新任研修の体制:警備業務検定の有資格者がいるか、教育がきちんと行われているか。
- 対応エリア・対応スピードの実績:自社の施設エリアに対応でき、急な依頼や欠員時のバックアップ体制があるか。
- 見積もりの透明性:料金の内訳が明示され、追加費用の条件が事前に分かるか。「一式」だけの見積もりは要注意です。
- 契約条件・責任範囲が明確か:業務範囲、契約期間、解約の条件、事故やトラブルが起きたときの責任の所在が契約書に明記されているか。
- 賠償・保険のカバー範囲:警備中の事故や過失に備えた損害賠償の保険に加入しているか、補償の範囲はどこまでかを必ず確認します。
つい見落としがちなポイント
契約・賠償・保険といった「もしものとき」の条件は、料金や仕事内容に比べて確認が後回しになりがちです。でも、事故対応や責任範囲こそ警備の本質。契約書の段階で曖昧な点は遠慮なく質問しておきましょう。
この中でも特に差が出やすいのが、教育体制と対応スピードです。教育がしっかりしている会社の隊員は、来訪者への応対も緊急時の判断も落ち着いていて、施設の印象そのものを良くしてくれます。また、急な欠員や追加の依頼にどれだけ柔軟に応じてくれるかは、長く付き合ううえで効いてくるポイントです。離職率が高い会社だと隊員がころころ変わり、施設のルールを覚えてもらう手間が毎回かかってしまうので、できれば定着状況も聞いてみるとよいですね。
すべてを一度に判断するのは大変なので、まずは2〜3社に相見積もりを依頼して、上のチェック項目で並べて比べるのがおすすめです。料金・教育・契約条件・賠償保険を同じ表に並べてみると、安いだけの会社と、安心して任せられる会社の違いがはっきり見えてきます。早めに動いておくと、繁忙期でも希望の条件で手配しやすくなりますよ。警備は「困ってから慌てて探す」より「余裕をもって相談する」方が、結果的に良い条件で良い会社に出会えます。
現場からの一言
施設警備のご相談をいただくと、最初から「常駐で1名」と決めてご依頼くださる方が多いのですが、現地を拝見すると日中は常駐、夜間は機械警備の組み合わせで十分に守れるケースがよくあります。逆に、出入口が複数ある施設で1名常駐だと手が回らないこともあり、必要な体制は実際に現場を見ないと見えてこないと感じています。まずは施設の使われ方を伺いながら、過不足のない設計を一緒に考えることを大切にしています。
— 株式会社FAIRセキュリティ 副社長・古川 友之
よくある質問
施設警備を検討する方からよく寄せられる質問をまとめました。発注前の疑問解消にお役立てください。
- Q. 施設警備と交通誘導警備は何が違うのですか?
- A. 施設警備は警備業法で1号に分類され、ビルや商業施設などの施設内で出入管理・巡回・監視・緊急対応を行う警備です。一方、交通誘導警備は2号に分類され、道路工事現場やイベント会場で車両や歩行者を安全に誘導する仕事です。配置場所も目的も異なるため、発注時はどちらが必要かを最初に確認しましょう。
- Q. 小さな事務所でも施設警備は依頼できますか?
- A. はい、小規模な事務所や店舗でも依頼できます。常時人を置く常駐警備はコストが高くなりやすいため、無人になる夜間や休日だけセンサーで守る機械警備や、定期的な巡回警備を選ぶケースが多いです。施設の規模や守りたい時間帯に合わせて、無理のない体制を選べます。
- Q. 施設警備の料金はどのくらいが相場ですか?
- A. 常駐・日勤で警備員1名あたり1日およそ15,000円〜25,000円が一つの目安です。料金は夜勤や24時間体制、有資格者の配置、繁忙期かどうかで上下します。金額の大部分は人件費と法定福利費・教育費で構成されるため、極端に安い見積もりは内容を確認することをおすすめします。
- Q. 常駐警備と機械警備はどちらを選ぶべきですか?
- A. 来訪者対応や即時の対応が必要なら常駐警備、無人になる時間帯を中心に守りたいなら機械警備が向きます。安心感は常駐が高く、費用は機械が抑えられます。多くの施設では「日中は常駐、夜間は機械」のように組み合わせて、安全性とコストのバランスを取っています。
- Q. 警備会社を選ぶときに最低限確認すべきことは何ですか?
- A. 公安委員会の認定の有無、指導教育責任者や有資格者の配置、見積もりの内訳が明確か、契約条件と責任範囲、警備中の事故に備えた賠償保険のカバー範囲を確認しましょう。特に契約・賠償・保険は見落とされがちですが、もしものときの安心に直結する重要なポイントです。
まとめ
施設警備(1号警備)は、出入管理・巡回・監視・緊急対応で施設の人と資産を守る警備です。守り方には人が常にいる常駐、時間を決めて見回る巡回、機器で検知して駆けつける機械の3つがあり、施設の規模・出入りの量・予算に合わせて選んだり組み合わせたりするのが失敗しないコツでした。
料金は1名1日およそ15,000円〜25,000円が目安で、人件費・法定福利費・教育費が中心。安さだけで選ばず、内訳を見比べることが大切です。そして警備会社を選ぶときは、認定・教育体制・対応スピードに加えて、契約条件・責任範囲・賠償保険まで確認しておきましょう。気になることは、まず複数社に相談して見積もりを取り、自社の施設に合った体制を一緒に設計してもらうところから始めてみてくださいね。
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