
ガードマンの仕事のきつさは、暑さ寒さ・立ちっぱなし・夜勤の眠気が中心です。どれも装備と休憩の取り方でかなり軽くできます。
「きついって聞くけど、自分にも務まるかな」と不安になりますよね。じつは、きつさの中身は現場の種類と時間帯で、かなりはっきり分かれます。
交通誘導と施設警備の1日を時間ごとにたどると、どこがきついのか、どう乗り切ればいいのかが見えてきます。給料は、国が2026年3月に公表した最新の統計で確かめた数字を使います。
目次
この記事でわかること
読み終わるころには、自分に合いそうな現場の種類と、応募の前に確かめておきたいことがはっきりするはずです。押さえるのは次の3つです。
- 仕事の種類:ガードマンと警備員の違い、法律で決まった4つの区分、工事現場にガードマンが立つ理由
- 1日の流れ:交通誘導と施設警備の時刻ごとの流れと、きつくなりやすい時間帯
- 給料と乗り切り方:国の最新統計でみた給料の目安と、暑さ・立ちっぱなし・夜勤への具体的な対策
ガードマンの仕事とは?種類別の仕事内容と働く場所
ガードマンは「警備員」の呼び名のひとつで、仕事は法律で1号〜4号の4つに分かれます。未経験から応募できる求人でよく見かけるのは、1号の施設警備と、2号の交通誘導・雑踏警備です。
英語では「security guard」と呼ぶのが一般的で、ガードマンは日本で広まった呼び方(和製英語)です。法律上の名前は「警備員」で、警備会社に雇われて警備の仕事をする人を指します。
業界では、施設警備の人だけをガードマンと呼ぶこともあります。ただ、日常会話では工事現場で車を誘導する人も、ビルの受付や巡回をする人も、まとめてガードマンと呼んでいますよね。この記事でも、その広い意味で使います。
| 区分 | 主な仕事 | 主な現場 |
|---|---|---|
| 1号 施設警備 |
出入口での受付・出入りの管理、巡回、防犯カメラの監視、鍵の管理 | オフィスビル、商業施設、工場、病院、マンション |
| 2号 交通誘導・雑踏警備 |
工事車両や歩行者の誘導、人の流れの整理 | 道路工事、建設現場、駐車場、イベント会場 |
| 3号 輸送警備 |
運ばれている現金・貴金属・美術品などの盗難を防ぐ | 現金や貴重品の輸送 |
| 4号 身辺警備 |
人の身体への危害を、そばで警戒する | 依頼した人の身辺(いわゆるボディーガード) |
区分と「警備員」の定義の出典: 警備業法 第2条(e-Gov法令検索)
センサーや防犯カメラで離れた場所から見守る「機械警備」も、1号の仕事に含まれます。
工事現場にガードマンが立つ理由
道路で工事をするには、警察署長の「道路使用許可」が必要です。警察署長は、この許可に事故を防ぐための条件を付けることができます(道路交通法 第77条)。交通誘導員を置くことは、こうした条件や、工事を発注する側の決まりで求められることが多いのです。
さらに、高速道路や自動車専用道路と、都道府県公安委員会が必要と認めた道路(一般に「資格者配置路線」と呼ばれます)では、交通誘導の検定(1級か2級)に合格した警備員を、現場ごとに1人以上置く決まりです(警備員等の検定等に関する規則 第2条)。資格を取ると働ける現場が広がるのは、このためです。
現場の1日の流れ|交通誘導と施設警備をくらべる
交通誘導は朝が早く勤務中はほぼ屋外(夜間工事の現場もあります)、施設警備は屋内が中心で夜勤や24時間勤務がある、というのが大きな違いです。きつくなりやすい時間帯も、それぞれ決まっています。
ここで紹介する時刻は一例で、実際は現場ごとに違います。それでも、1日のイメージはつかめるはずです。
交通誘導の1日(道路工事・日勤の例)
交通誘導は、自宅から現場へ直接向かい、終わったらそのまま帰る「直行直帰」の働き方が多い仕事です。1日の流れは、たとえば次のようになります。
| 時刻 | やること |
|---|---|
| 7:45 | 現場に到着。制服・ヘルメット・反射ベストを身につけ、誘導灯と無線を確認 |
| 8:00 | 朝礼。その日の工事内容と、車や人を止める位置・合図の出し方を打ち合わせ |
| 8:15 | 誘導開始。工事車両の出入りと、歩行者・自転車の安全を確保 |
| 10:00 | 小休憩(相方と交代で取ることが多い) |
| 12:00 | 昼休憩(1時間) |
| 13:00 | 午後の誘導 |
| 15:00 | 小休憩 |
| 17:00 | 作業終了。片付けのあと、現場の責任者に作業の確認書へサインをもらい、会社へ報告 |
きつくなりやすいのは、真夏の日中と、工事車両の出入りが続く時間です。片側交互通行のように、相方と無線で合図を合わせ続ける現場では、休憩までの集中力が勝負になります。
雨や工事の都合で、当日に現場が中止になることもあります。その日の給料の扱いは会社によって違うので、気になる人は先に確かめておくと安心です。
施設警備の1日(オフィスビル・24時間勤務の例)
施設警備は、同じ建物に通い続ける働き方です。日勤だけ・夜勤だけの現場もありますが、ここでは朝から翌朝までの24時間勤務の例を見てみましょう。
| 時刻 | やること |
|---|---|
| 8:45 | 出勤。前の勤務者から、来訪の予定や設備の不具合を引き継ぐ |
| 9:00 | 出入口での受付・立哨(立って見張ること)。来訪者の案内、入館証の受け渡し |
| 11:00 | 館内の巡回。非常口の前に物が置かれていないか、不審な物がないかを確認 |
| 12:00 | 交代で昼休憩 |
| 13:00 | 防災センターで、防犯カメラと警報の監視 |
| 18:00 | 退館する人の確認、施錠の見回り |
| 22:00 | 夜間の巡回 |
| 0:00 | 交代で仮眠(長さは現場しだい) |
| 5:00 | 早朝の巡回、開錠の準備 |
| 8:00 | 出勤してくる人への対応 |
| 9:00 | 次の勤務者に引き継いで退勤 |
勤務を終えた日は「明け」と呼ばれ、そのまま休みになる形が一般的です。きつくなりやすいのは、深夜から明け方の眠気と、受付や立哨でじっと立ち続ける時間です。そのかわり、屋内なので暑さ寒さは交通誘導よりずっと楽です。
仮眠の時間は「休み」とは限りません
仮眠中でも、警報が鳴ったり呼ばれたりしたらすぐ対応する決まりなら、その時間は労働時間に当たり得ます。厚生労働省のガイドラインは、指示があればすぐ仕事に就くよう求められ、労働から離れることが保障されていない待機の時間(いわゆる「手待時間」)を、労働時間として扱うよう定めています。
仮眠の長さと、その時間が給料に含まれるかは、応募の前に確認しておきましょう。
雑踏警備(イベント)の場合
コンサートや花火大会などの雑踏警備は、開場前の持ち場の確認から始まり、入場の整理、開催中の見回り、終わった後の退場の誘導までが1日の流れです。土日や夕方からの勤務が多く、終わる時刻が読みにくいのが特徴です。
応募を検討されている方は、求人・応募フォームから気軽にお問い合わせいただけます。
ガードマンの給料はいくら?国の最新統計と日給の中身
国の最新の統計(令和7年)では、フルタイムで働く警備員の毎月の給与は平均28.8万円、年収に直すと約380万円です。パート・アルバイトは、1時間あたりの給与が平均1,402円です。
国の統計でみる警備員の給料(令和7年)
- フルタイム(一般労働者):毎月の給与 28万8,300円(残業代などを含む。残業や深夜の手当などを除くと24万600円)+年間の賞与など 33万9,800円 → 年収に直すと 約380万円。平均年齢53.8歳・平均勤続10.1年
- パート・アルバイト(短時間労働者):1時間あたり 1,402円。平均で1日6.7時間・月12.3日の勤務、平均年齢は62.8歳
出典: 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別・一般労働者/短時間労働者の職種(小分類)別(e-Stat、企業規模10人以上・産業計)。年収は「毎月の給与×12か月+年間の賞与など」で計算した目安です。
求人票の日給を見て、統計より高い・低いと感じることもあるでしょう。統計は実際に支払われた給与の平均で、年齢も、夜勤の多い人・少ない人もまざっています。求人票は募集するときの提示額なので、そもそも数字の出どころが違うのです。
求人サイトが求人票から計算した年収や時給と数字がずれるのも、同じ理由です。比べるときは、どちらの数字なのかを先に確かめると混乱しません。
日給の中身は4つに分けて見る
- 基本の日給:決められた時間を働いたときの金額。法律上の原則は1日8時間までです
- 深夜の割増:22時〜翌5時に働いた時間には、25%以上の割増賃金がつきます(労働基準法 第37条)
- 残業代:1日8時間・週40時間を超えた分は時間外労働になり、割増賃金の対象です(労働基準法 第32条・第37条)
- 資格手当・交通費:検定の合格者への手当や、交通費の出し方は会社ごと。日給に含まれているかを確かめましょう
時給に直して、働く都道府県の最低賃金を下回っていないかも見ておくと安心です。最低賃金は毎年度見直されるので、最新の金額は厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」で確かめてください。
給料を上げたいなら、近道は検定の資格です。資格者配置路線のように合格者でないと担当できない現場があるため、任される現場が増え、資格手当をつける会社もあります。なお、本業を持ちながらWワークで働く場合は、本業と警備の労働時間が通算される点(労働基準法 第38条)も覚えておきましょう。
ガードマンの仕事は「きつい」?言われる理由と乗り切り方
きついと言われる理由で大きいのは、暑さ寒さ・立ちっぱなし・夜勤の眠気の3つです。そこに、単調さと人からの心ない言葉が加わります。どれも、装備・休憩の取り方・会社の体制でかなり軽くできます。
暑さ・寒さ|熱中症対策は2025年から会社の義務に
屋外の交通誘導で一番こたえるのは、やはり夏の暑さです。国の統計では、2025年に職場の熱中症で亡くなった人や4日以上休んだ人は1,803人で、そのうち警備業は199人でした。亡くなった人は、建設業の5人に次いで警備業が3人と、2番目に多くなっています。
発生が多いのは午前中や午後3時前後ですが、日中のどの時間帯でも起きています。仕事の後や帰宅後に具合が悪くなった例もあるので、勤務が終わってからも油断は禁物です(厚生労働省「令和7年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」)。
対策の基本は、ファン付きの作業着や首を冷やす道具、こまめな水分と塩分の補給、交代での日陰の休憩です。体調がおかしいと感じたら、我慢せずにすぐ伝えてください。
熱中症対策は、2025年6月から会社の義務です
暑い場所での作業など、熱中症のおそれがある作業をさせる会社(事業者)には、次の2つを決めて、働く人に知らせることが義務づけられました(労働安全衛生規則 第612条の2、2025年6月1日施行)。
- 具合が悪い人や、熱中症が疑われる人に気づいた人が、すぐ報告できる体制
- 作業から離す・体を冷やす・必要なら医師の診察を受けさせる、といった悪化を防ぐ手順
応募のときに「暑い日に具合が悪くなったら、誰にどう連絡しますか」と聞いてみてください。すぐに答えが返ってくる会社なら安心です。
冬は、風を通しにくい防寒着の重ね着と、足元の冷え対策が基本です。雨の日は雨合羽と長靴で体を濡らさないことが、体力の消耗を防ぎます。
立ちっぱなし・トイレ・休憩のコツ
交通誘導も施設の立哨も、立っている時間が長い仕事です。足の疲れは、クッション性のある靴やインソールでかなり変わります。休憩のたびに足首を回したり、ふくらはぎを伸ばしたりするのも効果があります。
休憩は法律で決まっています。労働時間が6時間を超えるなら45分以上、8時間を超えるなら1時間以上の休憩を、勤務の途中に取らせなければなりません(労働基準法 第34条)。交通誘導は車の流れが止まらないので、相方と交代で取るのが基本です。
トイレは、休憩や交代のタイミングで行くのが基本です。急に行きたくなったら、無線や電話で隊長や相方に伝えて代わってもらいましょう。黙って持ち場を離れることだけは避けてください。
夜勤の眠気・単調さ・心ない言葉への向き合い方
夜勤の眠気には、勤務の前に少し寝ておく、巡回で体を動かす、仮眠の時間は光と音を避けてしっかり休む、といった工夫が効きます。夜勤明けに予定を詰め込みすぎないことも、長く続けるコツです。
受付やモニター監視の単調さは、立哨・巡回・監視を時間で交代したり、決まった時刻ごとに記録をつけたりすると、集中が途切れにくくなります。
交通誘導では、急いでいるドライバーから強い言葉を向けられることもあるでしょう。知っておきたいのは、ガードマンには警察官のような強制の権限がないことです。警備業法は、警備員がこの法律で特別な権限を与えられているわけではないことに留意するよう定めています(警備業法 第15条)。
誘導はあくまで「お願い」です。無理に止めない、言い返さない、危ないと感じたら現場の責任者に報告する。この3つを守ることが、自分の身を守ることにもつながります。
きつさ別・自分に合う現場の選び方
- 暑さ寒さが心配 → 屋内が中心の施設警備から始める
- 夜型の生活がつらい → 日勤の交通誘導や、日勤だけの施設警備を選ぶ
- じっと立つのが苦手 → 巡回の多い施設や、動きのあるイベントの現場
- 人と話すのが少し苦手 → 来訪者の少ない工場や倉庫の警備
時間を守れる、決められた手順をきちんと繰り返せる、体調の変化を早めに伝えられる。この3つがそろう人は、どの現場でも長く続きやすいタイプです。
よくある質問
- Q. ガードマンと警備員は違う仕事ですか?
- A. 同じ仕事です。ガードマンは日本で広まった呼び方(和製英語)で、法律上の名前は「警備員」です。業界では施設警備の人を指して使うこともありますが、日常会話では、工事現場で車を誘導する人も、ビルの受付や巡回をする人も、まとめてガードマンと呼ばれています。求人を探すときは「警備員」「交通誘導」「施設警備」の言葉でも検索すると、候補が見つかりやすくなります。
- Q. 未経験・資格なしでもガードマンの仕事はできますか?
- A. できます。警備会社は、新しく入った人に、現場に出る前の研修(新任教育)を20時間以上行うことが法律で決まっています(警備業法施行規則第38条)。法令や基本の動き方、事故が起きたときの連絡、誘導や巡回のやり方をここで学びます。業務として受けるよう義務づけられた研修は、厚生労働省のガイドラインでも労働時間に当たるとされています。研修中の日給がいくらかは、応募のときに確かめておきましょう。
- Q. ガードマンは何歳から何歳まで働けますか?
- A. 18歳未満の人は警備員になれないと法律で決まっています(警備業法第14条)。上限の年齢は法律にはなく、会社の定年や体力面の判断になります。国の統計では、パート・アルバイトで働く警備員の平均年齢は62.8歳(令和7年賃金構造基本統計調査)で、シニア世代が多く働いている仕事です。体力が心配なら、屋内の施設警備や短い時間のシフトから始める方法もあります。
- Q. 女性でもガードマンの仕事はできますか?
- A. できます。国の統計では、フルタイムで働く警備員のうち女性は約6%と少数派です(令和7年賃金構造基本統計調査)。ただ、女性の来場者の手荷物を確認するイベントや、受付・案内が中心の施設警備など、女性の警備員を求める現場もあります。更衣室やトイレの環境は現場によって違うので、気になる点は応募の段階で遠慮なく聞いてみてください。
- Q. 夜勤の仮眠時間にも給料は出ますか?
- A. 仮眠の扱いは、現場と会社の決まりしだいです。仮眠中でも警報や呼び出しがあればすぐ対応する決まりで、休むことが保障されていない時間は、厚生労働省のガイドラインがいう「手待時間」として労働時間に当たり得ます。反対に、仕事から完全に離れて休める仮眠なら、休憩として扱われることもあります。仮眠の長さと、その時間が給料に含まれるかは、応募の前に確認しておきましょう。
まとめ
ガードマンの仕事のきつさは、暑さ寒さ・立ちっぱなし・夜勤の眠気が中心です。どこがきついかは現場の種類と時間帯でほぼ決まっているので、先に知っておけば準備で軽くできます。
応募する前に、次の3つだけ確かめておきましょう。
- 屋外か屋内か、日勤か夜勤かを先に決める。きつさの種類がここで変わります
- 休憩の取り方と、仮眠が給料に含まれるかを聞く
- 暑い日に体調を崩したときの連絡先と手順を聞く。答えがすぐ返ってくる会社なら安心です
給料は、国の統計と求人票では数字の出どころが違います。判断するときは、目の前の求人の日給と、月に何日入れるかで計算してみてください。
【この記事で参照した公的資料】
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別・一般労働者 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421116
厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」短時間労働者の職種(小分類)別 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040421216
厚生労働省「令和7年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_73330.html
厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000187488.pdf
厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
警備業法 第2条・第14条・第15条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117
警備業法施行規則 第38条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/358M50000002001
警備員等の検定等に関する規則 第2条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/417M60400000020
道路交通法 第77条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
労働基準法 第32条・第34条・第37条・第38条(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
労働安全衛生規則 第612条の2(e-Gov法令検索) https://laws.e-gov.go.jp/law/347M50002000032
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