警備員のバイトの日給は、首都圏の日勤でおよそ1万円〜1万3千円、夜勤なら1万2千円〜1万6千円が目安です。
求人サイトを見ていると「日給12,000円〜」と大きく書いてありますよね。でも、そこで気になるのは「雨で現場が中止になった日はどうなるの?」「集合場所から現場までの移動時間にもお金は出るの?」といった、求人票に書かれていない部分ではないでしょうか。この記事では、日給の目安に加えて、雨天中止・早上がり・待機時間・日払いといった「お金まわりの実際」を、法律の根拠と最新の数字にあたりながら整理しました。応募する前に、これだけ知っておけば損をしません。
目次
この記事で分かること
- 首都圏の警備バイトの日給レンジと、時給制・日給制のちがい
- 雨天中止・早上がり・待機時間・移動時間の給料の扱い(法律の根拠つき)
- 日払い/週払いの仕組みと、応募から初現場までの1か月の流れ
警備員のバイトはどんな仕事?3つの現場のちがい
警備のバイトは大きく「交通誘導」「雑踏・イベント」「施設」の3つに分かれます。同じ警備員でも、立つ場所も体の使い方も給料の決まり方も違うので、ここを最初に押さえておくと求人選びがぐっと楽になります。
- 交通誘導警備…道路工事や建設現場で、車と歩行者を安全に通す仕事です。募集数がいちばん多く、屋外なので天候の影響を受けやすい代わりに、日給は高めに設定される傾向があります。
- 雑踏・イベント警備…お祭り、花火大会、スポーツやコンサートの会場で、人の流れを整理します。土日や夏場に集中するため、単発・短期で入りやすいのが特徴です。
- 施設警備…ビル、商業施設、工場などに常駐して、受付・巡回・モニター監視を担当します。屋内中心で天候に左右されず、24時間勤務(仮眠あり)という働き方もあります。
「立ちっぱなしはきついけど、人間関係の悩みは少ない」とよく言われるのがこの仕事です。次で、その”きつさ”の中身も正直に見ておきましょう。
きついと言われる3つの理由と、その対処法
警備バイトがきついと言われる理由は、ほぼ「立ち仕事」「天候」「夜勤」の3つに集約されます。裏を返せば、この3つに対策できれば続けやすい仕事だということです。
- 長時間の立ち仕事…1日8時間、同じ場所に立つ現場もあります。クッション性の高い安全靴と着圧ソックスを用意するだけで、体の疲れ方がまったく変わります。
- 暑さ・寒さ…屋外の現場は季節に直撃されます。夏は空調服と塩分タブレット、冬はインナーと使い捨てカイロが必需品です。休憩の取り方は現場ごとにルールがあるので、初日に必ず確認しましょう。
- 夜勤で生活リズムが崩れる…深夜手当がつくぶん収入は上がりますが、昼夜逆転はきついもの。最初から夜勤専従にせず、日勤を混ぜながら自分に合うペースを探すのがおすすめです。
向いているのはこんな人/応募できない条件
体力自慢である必要はありません。むしろ「時間を守れる」「同じことを丁寧に続けられる」人のほうが長く続きます。次のような方は特に向いています。
- コツコツした作業が苦にならない方
- 単独の現場が多いので、ひとりの時間が苦にならない方
- シフトの自由度を優先したい方(週1日〜、Wワークとの両立も多い働き方です)
- 年齢のブランクが気になる方(50代・60代からのスタートも珍しくありません)
一方で、警備業法では警備員になれない人の条件(欠格事由)が決まっています。18歳未満の方は警備員として働けません。また、破産手続開始の決定を受けて復権していない方、一定の犯罪歴があり定められた期間を経過していない方なども対象外です。応募時には、この条件に当てはまらないことを確認する書類を提出します(出典: 警備業法 第3条・第14条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117 )。
警備員のバイトは日給いくら?時給制と日給制のちがい
首都圏の警備バイトは「日給制」が主流で、日勤8時間でおよそ1万円〜1万3千円が中心レンジです。時給制の募集もありますが、その場合も1日8時間換算にすると同じくらいの水準に落ち着きます。
| 働き方 | 首都圏の日給の目安 | ひとこと |
|---|---|---|
| 交通誘導(日勤・8時間) | 10,000〜13,000円 | 募集数がいちばん多い |
| 交通誘導(夜勤・8時間) | 12,000〜16,000円 | 深夜割増が乗る |
| 雑踏・イベント(日勤) | 10,000〜12,000円 | 単発・短期が多い |
| 施設警備(日勤・8時間) | 9,500〜12,000円 | 屋内で天候の影響が小さい |
| 施設警備(24時間・仮眠あり) | 18,000〜25,000円 | 1回の拘束が長いぶんまとまる |
この差はどこから来るのでしょうか。ポイントは3つあります。
- 深夜の割増賃金…22時から翌5時までの労働には、通常の賃金の25%以上の割増が必要と法律で決まっています。夜勤の日給が高いのはこのためです(出典: 労働基準法 第37条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 )。
- 最低賃金の水準…東京都の最低賃金は現在時給1,226円です。さらに2026年8月5日、東京地方最低賃金審議会が54円引き上げて時給1,280円とする答申を行いました(出典: 東京労働局「東京都最低賃金の54円引上げを答申」2026年8月5日 https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/houdou/20260805chinginka_0001.html )。発効日は手続きを経て決まりますが、ここ数年は10月に切り替わっています。日給1万円を8時間で割ると時給1,250円。最低賃金が上がると、日給の下限もそれに合わせて上がっていくと考えてください。
- 地域差…最低賃金は都道府県ごとに違うため、同じ交通誘導でも首都圏と地方では日給に2,000円前後の差が出ることがあります。東京・神奈川で探すなら、上の表のレンジを基準にして大丈夫です。
求人票でここだけは見てください
- その日給が何時間拘束の金額か(8時間なのか、休憩込み10時間なのか)
- 残業(8時間超)の計算方法が書いてあるか
- 「日給12,000円〜」の「〜」の上限が何で決まるのか(夜勤か、資格か、現場か)
資格を取ると日給はどのくらい変わる?
警備の資格でいちばん実入りに直結するのが交通誘導警備業務検定2級です。資格手当として1日あたり1,000〜2,000円程度が上乗せされる求人が多く、月20日入れば月2〜4万円の差になります。
理由は法律にあります。都道府県公安委員会が指定した道路での交通誘導警備には、検定合格者を配置することが義務づけられているためです(出典: 警備業法 第18条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/347AC0000000117 )。つまり資格者は「その現場に必ず必要な人」になるので、単価が上がるわけですね。多くの会社が受検費用の補助や講習の斡旋を行っているので、続ける気持ちがあるなら早めに取ってしまうのが得策です。その先には、施設警備業務検定、警備員指導教育責任者、現場をまとめる隊長というステップも続いています。
応募を検討されている方は、求人・応募フォームから気軽にお問い合わせいただけます。
雨で現場が中止になった日、給料はどうなるの?
結論から言うと、「会社の決め方しだいで、全額出る・6割出る・出ない」の3パターンに分かれます。求人票にはほとんど書かれていない部分なので、応募前の質問リストに必ず入れてください。ここが上位の解説記事でいちばん抜け落ちている論点です。
- ①日給を全額保証…「雨天保証あり」と書かれているケース。現場が中止でも、いったん出勤扱いにして所定の日給を支払う運用です。
- ②休業手当として一部を支給…会社の都合で休みにする場合、平均賃金の60%以上の休業手当を支払うことが労働基準法で定められています(出典: 労働基準法 第26条 e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 )。日給1万2千円なら7,200円以上が目安です。
- ③前日までの連絡なら支給なし…天候による中止が前日夕方までに決まり、翌日のシフトそのものが入らなかった場合は、そもそも勤務日ではないため賃金は発生しません。
つまり、いちばん気をつけたいのは「当日、現場に着いてから中止と言われたとき」です。ここで何割もらえるかが会社によって大きく違います。面接のときに「雨天中止の場合の扱いはどうなっていますか?」と一言聞くだけで、月に何千円〜1万円の差になることがあります。
現場が予定より早く終わった「早上がり」も同じ考え方です。日給制の場合は時間が短くなっても日給が満額出る運用が一般的ですが、「実働時間で精算」と決めている会社もあります。日給制=1日いくら、という契約なのか、実質は時給計算なのかを、雇用契約書で確認しておきましょう。
面接で聞いておくと安心な3つの質問
- 当日現場で中止になったときは、いくら支払われますか?
- 早く終わった日は日給満額ですか、実働時間での精算ですか?
- 雨天中止が続いた月でも、シフトの振替はできますか?
待機時間や移動時間に給料はつく?日払い・週払いの受け取り方
基本の考え方はシンプルです。会社の指示を受けていて自由に動けない時間は、労働時間としてお金が発生します。厚生労働省のガイドラインでも、すぐ業務に対応するよう求められていて労働から離れることが保障されていない「手待ち時間」は労働時間にあたると示されています(出典: 厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/roudouzikan/070614-2.html )。
- 現場での待機…工事が一時中断していても、その場を離れられないなら労働時間です。日給の中に含まれます。
- 会社の営業所に集合してから現場へ向かう移動…集合が指示されている以上、指揮命令下に入っているため労働時間として扱われるのが原則です。
- 自宅から現場へ直行する場合…これは通常の通勤と同じ扱いで、賃金の対象にはなりません。そのかわり交通費の支給や直行直帰手当を設けている会社が多く、この有無で手取りが変わります。
- 朝礼・装備の点検…業務に必要な準備行為として、労働時間に含まれます。「集合8時、勤務開始9時」という求人を見たら、その1時間がどう扱われるか確認しておきましょう。
「拘束10時間・実働8時間・休憩2時間」のような書き方の求人は、その休憩2時間に本当に自由があるか(現場を離れられるか)がポイントです。ここが曖昧な現場ほど、体感の疲れと給料が合わなくなります。
日払いのお金を受け取るまでの流れ
日払い・週払いは「できる会社とできない会社がある」のではなく、支払いの仕組みを持っているかどうかの違いです。実際には次の3つの形があります。
- 日払い(当日手渡し・当日振込)…勤務終了後に営業所へ戻り、その場で受け取る形。単発のイベント警備でよく使われます。振込の場合は翌営業日着金になることもあります。
- 週払い…月曜〜日曜など締め日を決めて、翌週にまとめて振り込む形。毎回の振込手数料を会社が負担するか、こちら負担かは確認が必要です。
- 前払い(給与前払いサービス)…働いた分のうち一定割合を、給料日前に申請して受け取れる仕組み。上限が設定されていたり、1回ごとに手数料がかかったりします。
気をつけたいのは、日払いでも税金は引かれるという点です。受け取る金額は「日給そのまま」ではなく源泉徴収後の額になるため、求人票の日給と手元の現金が一致しないことがあります。「日払い可」の文字を見たら、①全額か一部か ②手渡しか振込か ③手数料はかかるか、の3点をセットで聞いておくと安心です。
未経験の応募から初現場までの1か月(研修は何をやる?)
未経験の場合、応募してから単独で現場に立てるようになるまではおおむね2週間〜1か月です。いきなり一人で道路に立たされることはありません。法律で研修が義務づけられているからです。
- 1〜3日目:応募・面接…履歴書、身分証明書、住民票などを準備します。面接では体力より「連絡が取れるか」「シフトを守れるか」を見られます。
- 4〜7日目:書類提出と登録…警備業法で定められた条件に当てはまらないことを確認する書類を提出します。ここで採用が確定します。
- 8〜12日目:新任教育(20時間以上)…働き始める前に必ず受ける研修です。警備業法で「基本教育」と「業務別教育」を合わせて20時間以上と定められており、3日前後に分けて実施されます(出典: 警視庁「警備員に対する教育時間」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/keibi/k_keibi/education_time.html /根拠: 警備業法第21条第2項・同施行規則第38条)。内容は、警備業法などの法令、護身術や誘導灯の使い方、救急法、事故が起きたときの報告手順などです。
- 13〜20日目:先輩と一緒に現場へ…実際の現場で、先輩警備員について立ち方や合図を覚えます。ここでの立ち位置の取り方が、その後の安全と楽さを決めます。
- 3週目以降:単独で現場に立つ…慣れてきたら、一人配置の現場や希望のシフトに入っていきます。
気になる研修期間中の給料ですが、参加が義務づけられている研修は労働時間にあたるため、賃金が支払われます(前述の厚生労働省ガイドライン)。ただし「研修手当」として通常の日給より低い金額(1日6,000〜9,000円程度)を設定している会社もあります。その場合でも、時間で割ったときに最低賃金を下回ることは認められていません。求人に「研修中は◯円」と明記されているかどうかは、その会社の誠実さを測る良い材料になります。
装備と安全のこと(ここも会社で差が出ます)
- 制服・安全靴・ヘルメット・反射ベスト・誘導灯は会社支給が一般的です。自己負担やクリーニング代の有無を確認しましょう。
- アルバイトでも労災保険の対象です。勤務中や通勤中のけがは補償されます。加入は事業主の義務なので、「うちは労災に入っていない」という説明は正しくありません。
- 熱中症対策(空調服の貸与・休憩の取り方)を明文化している会社は、現場運営が丁寧な傾向があります。
よくある質問
- Q. 警備員のバイトは日払いできますか?
- A. 日払いの仕組みを持っている会社なら可能です。形としては、勤務終了後にその場で受け取る当日払い、締め日を区切って翌週に振り込む週払い、給料日前に一部を申請して受け取る前払いサービスの3種類があります。ただし日払いでも所得税は差し引かれるため、受け取る金額は求人票の日給より少なくなります。全額か一部か、手数料がかかるかを応募時に確認しましょう。
- Q. 雨で現場が中止になったら給料は出ませんか?
- A. 会社の決め方によって3パターンに分かれます。日給を全額保証する会社、労働基準法にもとづき平均賃金の60%以上の休業手当を支払う会社、前日までに中止が決まった場合は支給しない会社です。とくに差が出るのは当日現場に着いてから中止になったケースなので、面接時に「当日中止の場合はいくら支払われますか」と確認しておくと安心です。
- Q. 待機時間や移動時間にも給料はつきますか?
- A. 会社の指示で自由に動けない時間は労働時間として賃金の対象になります。現場での待機、営業所に集合してからの移動、朝礼や装備の点検はこれに当たります。一方、自宅から現場への直行は通勤扱いで賃金は発生せず、交通費や直行直帰手当で調整されるのが一般的です。「集合何時、勤務開始何時」の差がどう扱われるかを確認しましょう。
- Q. 未経験でもすぐに現場に立てますか?
- A. すぐには立てません。警備業法で、働き始める前に基本教育と業務別教育を合わせて20時間以上の新任教育を受けることが義務づけられているためです。研修は3日前後に分けて行われ、その後は先輩と一緒に現場へ入ります。応募から単独で現場に立つまでは、おおむね2週間から1か月が目安です。研修中も賃金は支払われます。
- Q. 50代・60代から始める人もいますか?
- A. 珍しくありません。警備業法で18歳未満は働けないと定められていますが、上限年齢の定めはなく、体調管理ができれば長く続けられる仕事です。体力に不安がある場合は、屋内中心の施設警備や、拘束時間の短い現場から始める方法があります。逆に若い方は夜勤や交通誘導で収入を伸ばしやすく、年代によって選ぶ現場を変えられるのがこの仕事の特徴です。
まとめ
警備員のバイトの日給は、首都圏の日勤で1万円〜1万3千円、夜勤で1万2千円〜1万6千円が目安です。ただし、実際の手取りを左右するのは表に出ている日給よりも、雨天中止・早上がり・待機時間・日払いの扱いという細かい部分でした。
- 雨で当日中止になったときは、全額保証・6割の休業手当・支給なしの3パターンがある
- 会社の指示で動けない待機や集合後の移動は、労働時間として賃金の対象になる
- 研修は20時間以上が法律で義務づけられ、その時間にも賃金が支払われる
- 交通誘導警備業務検定2級を取れば、1日あたり1,000〜2,000円の上乗せが見込める
求人票の日給だけで比べると、あとで「思っていたのと違う」となりがちです。応募先を1社に絞る前に、この記事の3つの質問(当日中止の扱い・早上がりの精算・日払いの条件)をそのまま聞いてみてください。答えがはっきりしている会社ほど、現場でも安心して働けます。まずは気になる求人に応募して、研修の日程を聞くところから始めてみましょう。
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